ADMIN TITLE LIST
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




スミマセンようやく連載再開です。
もう既に6月ですが、ミニマム兄さん話はもちっと続きます。


ちなみに今回はレンのターン。
お兄ちゃん心をドップリと味わいたまへ。

「「「「まぁすたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」」

 勢いよくマスターの部屋のドアを開けると、予想通り既にもぬけの殻だった。
 その部屋の隅に置かれたテーブルに、ポツリと置かれていた誰かの衣服と白い封筒。
 中に入っていた手紙には「今日はこどもの日です」と、クセのある右上がりの字で簡素過ぎる一言が添えられているだけで―――その封筒の下に置かれていた衣服は、今のサイズのカイトにぴったりの服で…手紙の内容といい、今回の事件の首謀者が自分達のマスターであることがこれで完全に確定した。

「「「「あの馬鹿マスタァ面倒事作るだけ作って逃げやがったぁぁぁぁぁ!!!!」」」」

 それぞれぶつけ所の無い憤りを絶叫に変えている中。
 ただ一人、幼くなってしまったカイトだけが、キョトンとした顔で皆を見上げていた。






                        *******





「マスターの野郎……一体何考えてやがんだ?」

 というか、カイト兄を幼児化させてどうするつもりだったんだか。
 同じ男同士ということで、レンは自室に戻るとカイトをダボダボの服から用意されていた服に着替えさせると、ついでに自分も寝巻きから普段の服に着替える。
その間カイトはというと、何が面白いのか危なっかしい足取りでポテポテと大して広くも無い部屋を歩き回っていた。

「カイト兄」

手早く身支度を済ませカイトを呼ぶと、何の疑いもなしに近寄ってきて、レンのハーフパンツの裾をキュッと握り締め、無邪気な笑顔が返される。
 散々泣いていたせいで目じりが赤くなって入るが、大きくても小さくても笑顔はあまり大差が無いらしい。

「にーちゃ」

「へ?」

「れんにーちゃ」

 えへ~と笑って、グリグリと額を擦り付けてくるミニカイト。
 その仕草は、普通の幼児と変わらない。
けれど実際の彼は、レンよりもずっと大きな『長男』なワケで。
 
「!?  っっ」

 兄であるカイトに『兄』と呼ばれた衝撃と、兄妹で一番下の立場であるために一度も呼ばれたことの無い『兄』という単語が自分に向けられた感動で、レンは身動きが取れなくなった。

「…れんにーちゃ?どしたの??」

 動かなくなってしまったレンを不思議に思ったのか、カイトはキュッと裾に縋り付いたまま小首を傾げる。

(何だこれ何だこれっていくかなんですかこの小動物みたいに頗る可愛さ爆発な生き物っ!?って違うボーカロイドはっっホントにこれカイト兄なんですかっっっっっ!?!?!?!?)←混乱

 カイト兄って天然だよなーと思うことはしょっ中あるが、特に可愛いともBLフラグの一つも立ってしまうようなことも思ったことなど一度も無い。それどころかなんか頼りなくて情けなくて『ホントに長男かよ?』と思ったことの方が多々あるのだが、こ・れ・は・ヤ・バ・イ
 このミニカイトは滅茶苦茶可愛い。そこらの子供なんて目じゃないくらい可愛いし見てるだけで微笑ましいし、今すぐギューッて抱きしめて思う存分頭をグリグリ撫でてやりたい衝動に駆られる。

(っつーか、別にそれくらいやってもいんじゃね?)

 確かに彼は『KAITO』で間違いなく我が家の長男だが、今は幼児化しかも記憶もロクに残ってないと見える。だったらその間普通に子供と同じ対応をしてやっても、問題など何処にも無い筈だ。


 むしろ、なんかそうしなきゃいけない気がするっ!!


 そう本能で感じ取った(というか予想以上に『兄』と呼ばれたことが嬉しかったらしい)レンは、その場にしゃがみ込むと衝動のままに小さな身体を抱き上げ、思う存分頭を撫でくり回した。

「うきゃぁ!にーちゃくすぐったいぃ~」

 くすぐったいと言いながらも、カイトの顔は笑顔のまま。
 どうやら抱き上げられたことも撫でられたことも嬉しかったようで、レンは更にグリグリと撫でてやる。おかげでカイトの頭はすっかり乱れて鳥の巣のようになってしまったのだが、やられた本人は気にした風もなくキャッキャと声を上げて喜んでいた。






(あ~これが兄って感じか……なんか感動)







 生み出されて此の方一度も味わったことの無い、先に生まれたものだけが味わえる感情に、レンは朝食の呼び出しを受けるまで、ひたすら浸り続けていたのであった。






















管理者にだけ表示を許可する




| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 ぼかろ家, All rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。