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まだ『その10』が終わってないのに何してやがんだテメェ空気嫁って感じですが、ペーパー作れなくてお蔵入りになってた小話です。
なんだかグダグダな出来で申し訳ない。。。。。orz



                    【ぼかろ家のご近所さん】


ぼかろ家の裏には、今では珍しい茅葺き屋根の家がある。
そこには大変仲の良い三人の家族―――優しいお父さん、おっとりとしたお母さん、元気いっぱいの男の子が住んでいた。
そんな裏手のご近所さんに、絵に描いたような主夫っぷりを発揮しているカイトは、時々おすそ分けを持って行ったりして、それなりなご近所付き合いをしていた。



そんなわけで。



今日も今日とてぼかろ家の長男カイトは、おすそ分け片手に件の家にやってきていた。
ちなみに外見から判る通り、ここにはインターホンなんて便利なものは備わってない。
代わりに玄関横の柱には長細い板が付けられており、更には小振りの木づちがぶら下がっていた。
ご想像の通り、この家ではこれがインターホンの代わりなのだ。
カイトがこの家を初めて訪れた時は、インターホンのない家にどうして良いかわからず、おすそ分け片手に玄関先で右往左往してしまい、不審人物と間違われそうになったものである。
そんな苦い思い出を胸に抱きつつ、カイトはいつものように木づちで板を叩いた。
カンカンカン、と小気味よい音が周囲に響く。しばらくすると奥から何かが動く気配がして、カイトは持っていた茄子の煮びたしの器に両手を添え直した。


ガラリ、と引き戸のドアが開かれ、中からこの家の奥さん―――ではなく。


「ナニヤツだ貴様、けったいな恰好をしおって」

自覚が無いのか、同じくらい妙な……というか、どちらかというと時代錯誤な衣装に身を包んだ長髪の男が現れた。

「…………。」

予想外な人物の登場に、カイトは思わず思考回路を停止させる。
玄関の真ん前で硬直したまま、一向に動く気配の無い相手に長髪の男は訝しく思ったのか、思い切り眉を潜めた。

「何を呆けておる。貴様は我が家に用でがあるのではないのか?」

「あ、あの、えと……ここって、九条さんのお宅で合ってます、よ、ね?」

「いかにもそうだが。なんだ貴様、確証もなく此処を訪れたのか?」

「いや、そういうわけじゃなくて……あの、一つお聞きしても良いですか?」

「なんだ」

「あの……どちらさまですか?」













「………で?」

ワンカップを飲みながら弟の話を聞いていた姉が先を下す。

「ええっと、なんか『人に名を尋ねるときは、まず自ら名乗るのが礼儀であろう!!』って凄い剣幕で怒られちゃって」

さすがに刀振り回された時は、ちょっと死を覚悟しちゃったよ俺。まあ、後で聞いたら刄はついてないらしいんだけど、ならなんで腰に差してるんだろうねえ?と首を傾げるカイトに、メイコはそれ以前に疑問に思うことがあるだろうと心の中でツッコミを入れた。

「はあ」

「でも俺がおすそ分けに持って行った茄子の煮びたしを見せたら急に機嫌が良くなって」

なんか彼の好物だったみたい、とカイトは緑茶を啜りながら朗らかに笑う。

「…で、話をしているうちになんとなく意気投合して、その時代錯誤な人物と囲碁やって帰って来たってわけね?」

「うん。聞いたら最近隣のおじいちゃんと囲碁友達になったって言ってた」

まさか隣のおじいちゃんに教わった囲碁が、こんなとこで役に立つとは思わなかったよ。明日御礼持って行かなきゃ、などとと、ご近所さんへの細かな気配りをナチュラルに口にする。この場合細かな気配りを褒めるべきか、それとも根本的に何かが間違ってると指摘すべきか、メイコは真剣に悩んだ。

「…カイト、一つ確認していい?」

「ん?」

「その人って、人間?」

「やだなあ当たり前じゃないか。いくら髪が紫の長髪で時代がかった口調と奇抜な恰好で腰に刀まで差してるからって…あ、そういえば誘われて一緒に歌ったんだけど、歌も上手かったなあ~」

「って、そんだけわかってて、なんでボーカロイドだって気付かないのよアンタはっっ!?

「………へ?」



ぼかろ家の裏手にある、一軒の茅葺き屋根の家。
そこには仲睦まじい三人の家族と。
ぼかろ家の皆さんの親戚にあたるボーカロイド『神威がくぽ』が住んでいる。







2008.07.02 AK






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