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久々のマスカイ更新です。
書いてあったのを発掘しました(笑)
あまりにも更新が無くて心苦しかったので、ちょっと修正してうp。

明日夏コミなのに何やってんだアタシ←現実逃避







「お帰りなさい、マスター」

 三日ぶりの主の帰宅。
 一人留守を任された僕は、玄関の扉が開くと同時にマスターを出迎えた。




                        黒揚羽3




「………。」

「マスター、どうかされましたか?」

 帰ってくるなり玄関先で硬直しているマスターに、首を傾げる。
 久しぶりに見たマスターは相変わらず前進真っ黒ないでたちで、何処も変わった様子は無い。怪我をしている様子もなかったので、僕は内心ホッと胸を撫で下ろした。
 怪我をして帰ってくるたびにマスターは気にするなというけれど、やっぱり気にするし心配してしまう。
 掛け替えのない自分のマスターのことだもの、心配しない方がおかしい。

「……お前、ソレ」

 家に帰ってきて、ようやくマスターが口を開く。
 スッと伸ばされた、右の……第一関節が硬く盛り上がってしまっている人差し指。
 命を奪う武器に扱い慣れてしまった指が、僕を指差す。

 正確には僕ではなくて―――

「今日、静流さんがやって来まして、僕に似合うからってくれたんです」

 『静流さん』とは、僕がマスター以外に接する数少ない人だ。職業は刺青師で、その腕前は女性ながらに業界の中でも一二を争うほどらしい。マスターの背に描かれた黒竜や僕の背中にある黒揚羽も、彼女の作品だ。
初めて出会って以来、どうも僕は静流さんに気に入られたようで、こうして時折遊びに来てくれている。静流さんはマスターをそういう目では見て無いとわかっているし、何かと助けてくれるから、僕も彼女に会えるのは嬉しかった。

「えっと、似合いませんか?」

 そう言って、全身をくまなく見てもらえるように、その場でくるりと回ってみせる。
 一枚布で出来ており、前開きで腰に薄桃色の紐を巻くだけのかなりシンプルなつくりで、布もサラサラとしているので普段着ているものよりもずっと楽チン。
色はちょっと派手な朱色なので着慣れない所為か若干恥ずかしい気もするが、僕的には結構気に入っているのだけれど……

「いや、似合うとか似合わないとかじゃなくて…いや、むしろ拙いくらい似合ってるんだが……」

 そういって何故か視線を逸らして口ごもるマスターに、なんだか珍しい反応だなぁと胸中で一人ごちる。
 普段からマスターはあまり感情を表に出さない。
 ソレが殺伐とした世界で生き抜く術だとあらかじめ教えられているので、常に無表情に近くても僕的にはあまり気にした事は無い。表情に出さなくてもマスターは優しいって知ってるし。
なので、マスターがこういった表情を浮かべるのは、実はかなり貴重だ。

「カイトお前、それがどういう服だかわかってて着てるのか?」

「確か、日本伝統の民族衣装ですよね。今はあまり着られて無いみたいですけど……違うのですか?」

 突然遊びに着た静流さんに挨拶もそこそこに突然服を剥ぎ取られて、ワケもわからないうちに着せられ、その時にこの服がどういうものなのかを説明していただいたのだけれど、実は間違っていたのだろうか。

「あ~間違っちゃいない。間違っちゃいないんだが……」
 
 そう言ってマスターは再び視線を逸らし、口元を手で覆いブツブツと何かを呟いている。
微かに「静流のやろう…」なんて言葉が聞こえてきた。
 
 もしかして僕、静流さんに揶揄われてしまったのだろうか。
 でもさっきマスターは「間違っちゃいない」と言ってたし……でもマスターの様子を見るとなんだかそれも違うようで、疑問は深まりばかり。

「……マスター、着替えた方が…いいですか?」

 いつまで経ってもこっちを向いてくれないマスターに、僕は恐る恐るそう切り出す。
実はこれの他に色違いで数着貰ったのだけれど、所詮マスターから与えられた物ではないので、マスターが気に入らなければ着ていることは出来ない。
静流さんには「アイツ絶対喜ぶから!」って太鼓判を押されていたのだけれど、いくら付き合いが長くて互いのことをよく知っていても、やっぱり静流さんはマスター本人じゃないから、読み間違えることだってあるだろう。
 するとマスターは途端に逸らしていた顔を上げると、勢いよく僕の身体を引き寄せて。

「っ 、 ぁ……、」

 呼吸も飲み込まれてしまうくらいのキスをされた。










 そのまま玄関先でマスターに隅々まで美味しく頂かれ、きちんと後始末をしてもらってからベッドに運ばれて、ようやくそこで着せられた服の別の意味を教えられた。
 そのとき僕が受けた衝撃は、正直言葉では表せない。




 でも同時に、なかなか見られないココロの箍を外したマスターが見れて嬉しいとも、思った。






                                          2008.08.14 AK






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