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マスカイです。
でもなんかおまけが付いてます。
マスカイつーか、マスカイ?

テンション高い人間は書きやすい(笑)




「とりっく・おあ・とりぃ~とぅ!お菓子くんなきゃいたずらすっぞ♪」

「……お前、いつから仏教辞めた」



 玄関のドアを開けると、前回と同じく法衣に身を包んだ弟さんが、全快のテンションで大きなカボチャを抱えて立っていた。









             どーぶつのお医者さんなマスターとお坊さんと僕



 



「いや~ここの近所で朝一の葬式が一件入っててさ~最近朝と夜の寒暖が激しかっただろ?どうやらポックリ逝っちまったみたいで…、」

「朝から欝になりそうな話題をテラ爽やかな笑顔で話すなボケ!」



 動物病院定休日の本日。
 素晴らしいくらいの秋晴れに、早起きして布団を干して掃除をして洗濯をして、お昼には少しばかり早い時間だけれど昼食にしようかと、マスターと話をしていた矢先。
 予想外のお客様がやってきた。

 目の前のお坊さんはマスターの弟さんで、慶さん。
実家のお寺を継いだ、正真正銘、本物のお坊さんだ。
 正直言うと、俺はこの人のことが少しだけ苦手。
 ええと、嫌いとかそういうのじゃなくて……なんとなく苦手。
 多分、あまりにも違い過ぎるテンションに付いて行けないだけなんだろうけど。

「そういえば、さっきのはなんですか?とりっく…何とかって」

苦手は苦手だけれど、別に話すのが嫌なわけじゃないから、先ほど感じた疑問を口にしてみた。
 すると弟さんは、何故かショックを受けたような顔をして、それからマスターに詰め寄った。

「オイこら兄貴!カイトにハロウィンを教えてないとは何事だっ!?」

「お前はいつから西洋かぶれになった!」

「祭りは楽しんでなんぼだっ!下町育ち舐めんな!」

「いやいやいや下町にハロウィンは関係ないだろっ第一お前、仏教徒だろがっっ」

「馬鹿野郎ハロウィンに国境は無いっっ!!!」

 ダン、ソファテーブルに足袋を履いた足を勢いよく掛け、握り拳で叫ぶ弟さん。

「………えと、つまり、日本の風習ではない、ということです、か?」

 まさかこんなにも白熱されるとは思わなかったので、オレは内心ビクビクしながら訊ねると、弟さんはバッとオレの方へと視線を向けた。

 あ、あの……そんなに強い視線で見つめられると困るのですが。

 あまりのガン見に、思わずマスターに助けを求めるように縋り付いてしまうと、マスターも俺の心情を判ってくれたのか、溜息を零しつつも頭を撫でてくれた。
 そんな俺の気持ちなどまったく気付かない弟さんは、眩しいほどの笑顔を浮かべると、横に置いていたスイカほどの大きさがあるカボチャを手に取ると、何故かオレの目の前に突き出して。

「ハロウィンの主役は、コイツだ!」

 クルン、と手の中でカボチャを半回転させた。
 その、反面から現れたのは……

「うひゃあっっ!?」

「……お前、そんなものまで」

 オレの叫びと、マスターの呆れ声が重なる。


 ただのカボチャだとばかり思っていたそれは、何故か表面を顔のような形に繰り抜かれていた。







――― しかも、かなり凶悪に。








「あ、言っとくけどこれを製作したのは俺じゃないぞ~葬式に行った家で貰ったんだよ」

 てことで、コレ今回の手土産ね。
 ハイと当然のように手渡されてしまい、オレは対処に困ってしまう。
 よく見ると不気味な中にも愛嬌があるようにも見えなくも無いけれど、一体どうすればいいんだろう、コレ。

「ハッ?」

 葬式先の玄関の横にどっさりあったから、一個貰ったんだと答える弟さんの言葉に、何故か呆然とするマスター。
 確かに、お葬式にこんなものがあるのはオカシイなぁとは思うけれど、マスターの驚きはなんだかちょっと違う気がする。

「……一つ訊くが、」

「おう」

「お前、その家にお経唱えに行ったんだよな」

「ああ。」

「なのに……玄関にカボチャがあったのか?」

「そ。しかも大量」

 一応葬式ってことで脇には除けてあったけど、ありゃあ随分前から用意してあったんだろうなぁ。家の中にも飾りが置いてあったし。

「……仏教徒、なんだよな。そこ」

「わざわざ坊さん呼ぶくらいだから、そうなんだろ?」

「…………、」

「…………、」

「何で仏教徒なのにハロウィンやってんだよっっ!!」

「いいだろ別に!祭りはみんなで楽しむもんだっっ!それ言ったらバレンタインだってクリスマスだって日本関係ないだろがっっっ!!!」


「………。」

 ……何と言うか、弟さんが来るとマスターのテンションも何故か上がるよねー
 
 初めてこの光景を目にした時はビックリしたけれど、三回目くらいからこれがこの御兄弟のいつものノリなんだなぁと悟ったので、お二人の白熱する言い合いにもすっかり動じなくなった。
 うん、オレも結構成長してる。







 





 結局、お二人の言い合いが終了したのは、それから20分後のことだった。






                                 続いてたり続いてなかったり。。。






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