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久々の更新です。
あまりにも久しぶり過ぎて話ちょっと忘れたなんて言えない。。。。。





    KAITO






「馬鹿じゃないの?」

 僕の話を全て聞き終えた直後、僕は死神仲間のめーちゃん――メイコから、辛辣な言葉を頂戴した。

「……わかってるよ、それくらい」

 そう、わかっている。
 今回のことが、死神にあるまじき状況だということくらい、僕本人が一番よく判っているのだ。
 けれどメイコは僕の小さな抵抗を、あっさりと鼻で笑って一蹴する。

「どこがよ。まったくアンタは軽率というか詰めが甘いというか……そんなんだから、いつまで経ってもお目付け役のあの子達に揶揄われるのよ」

タイトなミニスカートから伸びた、スラリとした長い足を優雅に組み直し、隣に正座している僕の額を指先で小突く。
 さり気無く伸ばされた爪が皮膚に食い込んでちょっと痛かったのだが、この状況で文句を言えるほど、僕は図太くない。
額の痛みも足の痺れも我慢して、ひたすら神妙な態度を取り続けた。
 僕が反論しないせいか、メイコの辛辣な言葉はなおも続く。

「ボーっとしてて頼りなくて情けなくて雨ばっか降らせる上にアイス馬鹿だし」

 最後のは単なる嗜好だから関係ないと思うのだけれど。
第一、それ言ったらメイコだって仕事の度に暇を見つけてはお酒を飲んでるのに、どうやら自分のことは棚上げらしい。

「別に、いつも雨が降るのは僕のせいじゃ……」

 思わず本音が口から零れると、間髪入れずに。

「煩い万年雨男。悔しかったらさっさと青空拝んでみなさい」

 そしたら前言撤回してあげるわよ、なんて言われてしまい、ぐうの音も出ない。
 僕が噂の『青空』を見たことが無いのは、周知の事実なのだ。
 
「え~とぉ、メイコお姉ちゃん。それくらいにしてあげたら?それ以上言うと、お兄ちゃん本当に使えなくなっちゃう」

 一部始終をすぐ傍で眺めていた、こちらも死神仲間のミクが、落ち込む僕を見かねて助け舟を出す。
 でもなんだろう。あんまりフォローされている気がしない。
 というか、どちらかというとさり気無く止めを刺されているような気がするのは僕だけだろうか。

 ミクのフォローのようなそうじゃないような微妙な言葉に、それでもメイコは僕詰りを諦めたらしい。


「使えるトコなんて、歌が上手いのと仕事に関しては真面目ってトコだけなんだから、ちゃんと最後までやり遂げなさいよ?」

「―――わかってる」

「アンタのわかってるは、この世で一番信用ならないのよ」

 じゃあどう返せばベストなのか。
 答えを知りたくても質問できない自分が、なんだか情けなくてならない。

「頑張ってお兄ちゃん。お兄ちゃんはやれば出来る死神だって、ミク知ってるから!」

「あ……う、ウン」

 本人にまったく悪気が無いのはとってもよくわかっているのだけれど、何でこうミクの言葉っていちいち心臓を抉るような打撃を与えてくるんだろうか。
 

 期日まで後6日。
 ライブは6日後。
 これは一体、何の符号なのだろう。
 それとも、これもまた『神様の思し召し』というものなのだろうか。


「とにかく期日まではまだ6日あるし、ゆっくり判断するよ」

 もともと僕のスタンスは、たっぷり一週間かけて判断するのだ。多少のイレギュラーはあったが、支障を来たすほどの問題は今のところ無い。
 むしろターゲットと違和感無く一緒に居られるのだ。都合がイイといえば、都合がいい。

「…モタモタしてて、更に厄介ごとに巻き込まれたりしないでよ?」

「―――肝に銘じとく」

 そう返したのと同時に、目の前に仕事場へと続く扉が現れる。
 どうやら、休憩時間は終了らしい。

「じゃあ、行ってくる」

「行ってらっしゃいお兄ちゃん。お土産話待ってるから」

「……うん、楽しみにしてて」




 本当は不安だらけだけど。



 喉から出かかったそんな言葉を無理やり飲み込んで、僕は仕事に戻るべく扉を潜った。











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