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割烹着なカイト兄さんでも許せる方だけお進み下さい。
ぼかろ家の日常 その1



 ぼかろ家の長男、カイトの朝はとても早い。
 
 朝は五時に起床。
 炊飯器に米をセットし、水に浸している間に顔と歯を洗い、炊飯器のスイッチをオンにした後、町内をジョギング。
軽くシャワーを浴びて汗を流し、家族全員分の朝食を準備する。

 ちなみに、その朝食準備だが、口で言うほど簡単ではない。

 ・長女メイコ=和食派のため、焼き魚・納豆・香の物・副菜・味噌汁・炊き立てご飯。
 ・次女ミク=洋食派なので、玉子料理・サラダ・スープ・果物。
 ・三女リン=食べずに出かけようとするので、せめてコレだけでも食べろと中華粥。
 ・次男レン=食べるの簡単且つ即栄養になるという理由でコーンフレーク。
 ・おまけでへっぽこマスター=一杯の緑茶と梅干&塩昆布。
 とまぁ、世のお母さん方も真っ青な完璧な主夫っぷりを発揮していた。



 そんなわけで、今日も今日とてカイト兄さんは朝からフル活動だ。

「カイトー、醤油~」
「は~い」
 パタパタとスリッパの音を立てながら、引っ掛けて倒しても漏れないという優れもの醤油差し(通販で購入)を姉に手渡す。
「お兄ちゃん、ミルクお変わりしていい?」
 納豆に醤油を垂らすその横で、空になったグラスを差し出すミク。その口の周りにはうっすらと牛乳の跡が付いていて、カイトは苦笑を零しながら甲斐甲斐しくもタオルでそれを拭ってやり、グラスに牛を満たした。
「もちろん。たくさん飲んで大きくなろうね」
「うん♪」
 ほにゃりと笑いながら嬉しそうに新たに注がれた牛乳を飲む妹に、カイトもついつい顔が崩れる。なんだか背後に花畑でも現れそうな二人の様子に、対面の位置にいたリンがポソリと呟く。
「……このシスコンが」
 ピクン、とカイトの頭が僅かに揺れる。
「リン、それ全部食べるまで椅子から立っちゃ駄目だからな」
「エエー!」
 横暴なカイトの物言いに、リンは思わず不満の声を上げる。
「朝は一日の大事な活力源なんだ。疎かにしちゃ身体に悪いんだぞ」
 何処のお母さんですかアンタは。
 てか割烹着が意外に似合い過ぎてて素敵過ぎるよ。
 今度、誕生日に三角巾でもプレゼントしてあげたら面白いかも…
「レン、深層突っ込みはいいから早く食べちゃいなさい。マスター、お茶ココに置きますよー?」
 一人黙々とコーンフレークをかき回していたレンの頭を撫で、連日の徹夜で隣の部屋のコタツで沈没していたマスターに緑茶をそっと置き、塩昆布を添えた。
 そんな、何処までも出来た奥さんのような一連の動きには何一つ無駄が無く、彼がどれだけの日々をこうして過ごしているのかが伺える。
歌っている時はあんなにもカッコイイのに、何故こんなにもギャップがあるのか。
身体のどこかに『ボーカルモード』と『主夫モード』のボタンでも付いているんじゃないかと勘繰りたくなるほどの変わり様。だがそれを暴いてしまったがために、この一家の家事担当がいなくなるのは、あまりにも損失が激しい。
 誰だって面倒事はしたくないのだ。
 特に、『ボーカロイド』という華々しい職業(?)に立つ一家には(マスターは除く)

率先してやってくれる人がいるのなら、とりあえず手前の疑問は無視しとこうという家族内の暗黙の了解の下、カイト兄さんの謎は今日も放置された。




「ごちそーさん!カイトお茶~」
「はい、玄米茶と新聞」
「ごちそ~さまでしたぁ♪」
「ハイ、お粗末さまでした。ミク、ほっぺたにお弁当付いてる」
「えへへ~ありがとーお兄ちゃん♪」
「……ごちそうさま」
「うん、全部食べたな~えらいぞ~リン」
「…太ったら兄さんのせいだからね」
「何言ってるんだリン。朝はたくさん食べても全部エネルギーになるから太らないぞ?」
「(その根拠と自身は一体どっから来るのよっ!)」
「ご馳走様」
「レン、毎回言うけど本当にコーンフレークだけでいいのか?お前は男の子なんだし途中で腹減ったりしないか?」
「別に平気。それにお腹空いたらカロリー○イト食べてるし」
「なっ!?またそんな物をっどうせなら早弁にしときなさい!学生なんだから!!」
 何か『早弁』に青春やロマンでも感じているのだろうか。やけに熱く語るカイトの話をレンは右から左へ受け流すと、自分の荷物を持ってさっさと玄関に向かった。
「あ~待ってレン~私も行く~」
 その後ろを、パタパタと可愛らしい足音を立ててミクが追い掛ける。
「ミク!お弁当忘れてるっ」
「ちょっとレン!相棒の私を置いてくなんてどういうつもりよ!?」
「リン大丈夫だからっそれからお弁当!ちゃ~んと全部食べるんだぞ?」
「カイト~お茶おかわり~」
「はいはい~ってメイコ姉さん!そろそろスタジオ向かわないと遅刻しますって!」
「………。」
「マスターもそれ飲んだら支度して下さいね?」


 ぼかろ家の最強主夫カイト。
 彼のオカンぶりは、こうして日々強化されていく―――。



                                   つづく?





















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