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すみません、潮干狩りブッチギって七夕話第二弾です。

何故か毎年七夕だけは書いてしまうあざらし。
ジャンル変わってもコレだけは変わらないらしい……寧ろ半使命感に駆られてる?




下からどうぞ~





七夕まつり




 今日は七夕。
 天気は晴れ。
 なんと実に10年ぶりの晴れというから、驚きだ。
 年に一度だけ会うコトを許されたのにもかかわらず、天気が悪いというだけでまた翌年まで待たなければならないカップルにしてみれば詐欺だ!!と抗議されても仕方が無いほど低い確立である。

 そんな、七夕当日。


 
 リンとレンが仕事を終えて家に帰ると、出迎えたのは……







「あ、お帰り~リン、レン」

いつもの服装にトレードマークのマフラー、もしくはすっかり定着した割烹着姿…ではなく、あまりにも時代錯誤な着物姿(正確には束帯)姿の長男カイトだった。



「か、カイト兄?」

「ナニ、その格好…」

 兄のあまりにも家の中では不相応な格好に絶句する二人に、長男は微塵も動揺することも無く答える。


「ああこれ?なんか隣町でお祭りがあるみたいで、急遽七夕仮装行列に借り出されちゃったんだ」


 もともとコレ着る予定だった人が俺と背格好が似てるんだってさ~と朗らかに笑う兄に、リンとレンは胸中で即座にそれを否定する。




『いや、それは明らかにカイト兄に着せる口実だろ』


『ていうか、欠片も疑問を抱かない辺り、カイト兄だよねー』





 一般的な束帯の色である黒ではなく、全体的にブルーを基調にして作られた衣装は、寸分の狂いも無く長男の身体にピタッと当てはまっていた。しかも町内会の祭りにしてはやけに丁寧な仕事を施されていて、この衣装の製作者は、ぼかろ家の真後ろの家に住んでいる九条さん家の奥さんに違いないだろう。
 にもかかわらず言われたコトを鵜呑みにして、二つ返事で了承してしまう当たり、頭に超が5つくらい付くほどお人よしな長男らしすぎて、呆れることすら出来ない。
 
「あ、そうそう。それから、せっかくだからみんなで仮装行列に参加しませんかって全員分の衣装預かってるんだけど、リンとレンも着ない?」




 ………。



「「なんじゃそらっ!?」」

 いやいや普通に考えてそれってオカシイだろう何でピンチヒッターなのに家族全員分あるんだよってかもう確実確定で町内隣町巻き込んでの策略以外何者でも無いじゃんかっっ!?!?!?!?
と、一種鬼気迫る勢いで言い募る弟妹達に対し、長男は相変わらずの緩さで切り返す。

「なんかね、思ったほど人が集まらなかったから余ってるんだって。鎧とか着物とか色々あって面白いよー」

 みんな手作りだっていうから凄いよね、と一点の曇りも無い笑みを浮かべながら、リビングのソファに次々と衣装を広げ始める長男。
 (強制的に)見せられたそれらは、確かに素晴らしい出来栄えだった。
 とても素人が作ったとは思えないほどの出来に、二人は自分達の予測を確信へと変える。


『『これは紛うことなく九条さんの奥さん作だな(ね) 』』


 でなければ、此処まで精巧な衣装やら鎧やら小道具が揃っているわけが無い。
 ぼかろ家の面々に衣服だけでは飽き足らず、数ある行事の衣装までをも無料提供して着せることに命を掛けている節すらある、あの九条さんの奥さんならば、話を持ち掛けられれば二つ返事で作ってくれるだろうというより、それ以外あり得ない。
 きっとその祭の衣装提供の枠には、彼女の名前が堂々と掲げられているに違いない。
 そう思うと、なんだか気が進まなくても着なくてはいけないような気がしてくるから不思議だ。
 そうか、コレが所謂『強迫観念』というものなんだな…と、リンとレンはしみじみ思った。

 ちょっと違う。


「ミクもさっき帰ってきてね、今着替えてるよ」

 全体的に緑が基調の着物でね、すっごくカワイイよ~

「……。」

「……。」



『『ああ……ミク姉は既に毒牙(?)かけられていたか…… 』』



 まぁミク姉のことだから衣装を見た途端大乗り気だったのだろうけど…と、心からしみじみ納得する二人。



「それとメイコ姉さんにも電話で話したら、超特急で帰ってくるって言ってたし」



『『メイコ姉の場合、衣装が着たいんじゃなくて祭りに出されるであろうお酒が目当てだよな(ね) 』』


 哀しいかな、人間のように血は繋がっていなくとも家族として寝食を共にしているため、それぞれの行動パターンが容易に読めてしまう。
 個人的にはあまりというかかなり気乗りしないのだが、家族の半分が参加するとなれば、これはもう半強制的決定事項だろう。
 リン的にはそんな仮装行列なんかよりも、長男の作る七夕料理(&お菓子)の方が重要なのだが、この分だと何もしないでありつける可能性はかなり低い。





「ねぇレン…コレも一応、家族行事に入るのかな?」


「あー…入るんじゃねぇの?ぜってぇマスターもなんか企んでるぜきっと」






 レンの予想通り、町内会の方に話を持ち掛けられ悪乗りをしたマスターが、己のコネを駆使して牛車を用意し町内の皆さんを大いに喜ばせたのは、この数時間後の話。











「リンー、何なら十二単もあるんだけど、着る?」

「大いに遠慮しますっっ!!」






 今日のぼかろ家も、とっても平和です。




 
                                      2009.07.07 AK





 【おまけ】



「そういえばがくぽとルカさんも仮装行列出るみたいだよ。なんか奥さんに強制的に参加させられるみたい」

 大変だよねアハハと笑う長男に、『何でそこまで情報があって自分もうっかり乗せられてることに気付かないんだっ!?』と長男の行く末をちょっぴり心配した弟妹が居たとか居ないとか。






※がくぽとルカは九条さん家のボーカロイドです。
 日々入れ替わり立ち代り色んな衣装を着せられているらしいお(笑)






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