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なかなかに好評でしたので、マスカイSS第二弾です。
か~な~り~糖分過多に仕上がりましたのでご注意を。

甘味具合での苦情は一切受け付けません←つまり書き逃げ

それでも良いという方のみ先へお進み下さい。

 カイトはアイスが大好きだ。
 アイス依存所といえるぐらいのアイス狂で、一日最低一個は食べなければ拗ねるか暴れるか泣く。
 まぁそれだけならばイイのだが、カイトはアイスだけじゃなく甘い物も好きだ。
 和菓子洋菓子なんでもござれ。一度アップルパイ&バニラアイス添えを食わせてやったら、歌うだけじゃなく踊りだした。
コレこそまさに狂喜乱舞って奴だなと、心の片隅で納得したのは、そう昔の話ではない。

 おかげさまで、カイトがやってくる前まではお菓子の「お」の字も無かった俺の家には、冷凍庫にはアイスクリーム、棚には甘いお菓子が常時完備されており、部屋にはいつも甘い香りが漂うようになっていた。 







                          Sweet hot chocolate





 

 何てことない平日の夜。

 食後の一腹を楽しみながら、俺は視界の先で青いマグカップを両手で抱え、フウフウと息を吹き掛けてはチビチビとホットチョコを飲んでいる存在を眺めていた。
 ヴォーカロイドは人間ではない。
詳しいことはよく判らんが(ロボット工学は専門外なんだよ!)歌う特性を持った、ヒューマノイドの一種だ。
にもかかわらず、カイトは人間でも動物でもないくせに何故か猫舌らしく、いつもこうして一生懸命息を吹き掛けては、熱い飲み物や食べ物を冷ましていた。

(猫舌なヴォーカロイドって…一体)

他のKAITOも同じく猫舌なのだろうかと確かめたい衝動に駆られるが、残念ながら俺の周囲にKAITOを所持している知り合いはいないため、未だ確認することが出来ないでいた。手段としてはネットで探すという手も無いわけではないが、面倒なのでこの疑問は未だ放置プレイをかましている。
本人もどうして猫舌なのかはわかっていないらしく、もちろん説明書にそんな内容は記載されていない……というか、何の役にも立ちそうにない無駄な機能など、最初から付ける必要が無い。
 当然といえば当然の話で、それなのに熱い物と辛い物が苦手なヴォーカロイドはしっかりと俺の目の前に存在していた。

カイト七不思議の内の一つだ。

 七不思議というからには他にも幾つか疑問に思うことがあるのだが、それはまたの機会にでも話そう。



「美味いか?」

 子猫がミルクを舐めるようにチビチビと飲み進める姿は、如何にも幸せオーラが漂っていて、つい判りきっている答えが返ってくると知りつつも訊いてしまうと、ほにゃりとした笑顔と共に、予想通りな返事が返ってきた。

「はい!やっぱりココアよりホットチョコですよね♪」

 俺にしてみればココアもホットチョコも大差無い代物なのだが、この甘味大王にはその違いがハッキリと判るらしい。
 味の違いが判るヴォーカロイド(ただしコイツの場合は甘味に関してのみだ)―――これもどうなんだろうか。

「カカオ粉末にた~っぷり砂糖とミルクを入れるのが、本当のホットチョコらしいんですけどね」

 ちなみにカイトが飲んでいるホットチョコは、俺が買ってきた特売用の板チョコでカイトが自作した物だ。料理どころか家事もロクに出来ないくせに、こういう時だけ器用に作るのだから、コイツの脳内コンピューターは一体どんな風に構成されているのか、見れるものなら一度見てみたい。
 そんな一種物騒な考えを主人が巡らせているとは露知らず、カイトはきっと高貴な味がするんでしょうね~とマグカップ片手にうっとりとした表情で呟いたので、俺は反射的に青い頭を小突いた。

「イタッ!」

「俺にそんな大層なモノを求めるな!俺が食いもしないチョコを買ってきてやってるだけありがたいと思え」

「…別に買ってきて下さいといったわけじゃないです~夢見るくらいイイじゃないですかっ」

 大して痛くも無いくせに、涙目になって反論してくるカイトの額に、すかさずデコピンを食らわせる。
今度は本当に痛かったのか、フギャッと猫みたいな鳴き声で叫んで、掌で叩いた場所を撫で摩った。

「お前の場合望みがチープ過ぎて、さり気に求められてる気がしてならねぇんだよ」

「求められて…って、なんか響きがエロいですマスター」

「―――カイトは明日アイス禁止っと」

 ありもしないメモ帳に書き留める仕草をすると、カイトは慌てたようにテーブルを叩いた。

「そんなっ死んじゃいます!」

「一日アイスを食わないくらいで死ぬかっ!?てかお前ヴォーカロイドだろうがっっ」

「嗜好品は本能に訴えるものなんです!!!」

 そんなことを自信満々に叫ぶな恥ずかしい。

「……教育間違ったかな、俺」

 いや、アイスに関してはココに来た当初からこんな感じだった。
 俺のせいじゃない。俺のせいじゃないと……思いたい、切に。

「…それに、俺だけが楽しむんなら板チョコで十分です」

 こんなに美味しいんですから、と呟きながら十分冷めたホットチョコをコクコクと飲むその頬は、何故か赤い。

「―――どういう意味だ、それ?」

「わからないならいいですっ聞き流してください!」

 そういってマグカップを抱えたまま顔を逸らすカイトの反応に、俺は都合のイイ考えが外れじゃなかった事を確信する。

「悪いが、聞こえてしまったものを聞き流せるほど俺は大人じゃない」

 あ、いかん。
なんか顔がニヤついてる気がする。

「ますたー…顔がやらしいです」

 頬が緩むのをどうしても止められないでいると、目線だけこちらに向けたカイトがポツリと突っ込みを入れた。

「そう言うお前は顔が赤いぞ?」

「!?―――っ」

 何でだろうなと笑みを浮かべながら赤い頬にキスを落としてやると、カイトは頬だけじゃなく全部を真っ赤に染めて硬直した。

「………、」

 なんだかなーと、俺は胸中でぼやく。
 何でコイツ、こんなに反応がイチイチ可愛いかな。
 コレまで付き合ってきた女にも、周囲にだってこんな奴はお目にかかったことが無い。
 そのまま本能が訴えるままに硬直した身体を引き寄せて腕の中に収めると、男性体のくせに妙に抱き心地が宜しいのが笑える。
 まったく、何を狙ってこういう造りにしたんだか。

「え、えと…マスター、」

 ハナシテクダサイ……と蚊が鳴くような小さな声で訴えるカイトの声をサラッと無視し、俺は俯いた顔を後ろから覗き込んだ。


「ほれ、どうしてそう思ったのか言ってみ?」

「~~~~~~」

 腕の中でブンブンと頭を横に振られ、サラサラの青い髪が俺の頬を擽る。
 なんか意地悪してるみたいだな。
 いや、意地悪というより言葉攻めプレイってやつか?
 ふむ、それなら。

「言わないとチューすんぞ。そらもう濃厚で腰砕けなやつをたっぷりと…、」

「甘くないホットチョコならマスターも一緒に飲めるかなって思っただけですっっ!!!」

……速攻で答えられると俺とのキスが嫌みたいに聞こえるんだが―――まぁ、可愛いから許してやろう。涙目になってるし。

「ハイ、よく言えました~」

 ゼーゼーと肩で息しながら背後の俺を上目遣いで見上げてくる、小動物のようなヴォーカロイドの頭をヨシヨシと撫でてやると、カイトは怒ったような嬉しいような、複雑な心境がない交ぜになったような表情を浮かべた。
 そうだよなーお前俺に頭撫でられんのもキスされんのも本当は好きだモンなー。

「…マスターはズルイです」

「当たり前。俺、お前のマスターだし」

 主人が下僕に負けてたまるか。

「卑怯です、うろたんだーです」

「そりゃ某動画サイトのお前のことだろが」

「……ほんとに、ズルイです。でも…    、」

「!?   っ」


 あ~もうホンットにコイツってばなんでこんなに以下略っっ!!






 とりあえず、そのうちカカオパウダーなる物を探して買ってきてやろう。

 ズルくて卑怯で天然たらしな俺だけのヴォーカロイドと、一緒にティータイム楽しむために。





                                      2008.03.01 AK




己で書いておいてなんですが、書き終わって砂・吐・イ・タ・ッッッ!!!!(←心の叫び)




















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