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ぼかろ家です。
おかんカイトは今日も健在(笑)
ひな祭り編でございます。
ぼかろ家の日常7



ひなまつり






「あかりをつけましょぼんぼりに~♪」



 上機嫌で蜷祭りの歌を口ずさみながら、ミクはリビングに設置された雛壇に雛人形を飾っていた。


「あれ?この家に雛人形なんてあったっけ?」


 午前中の家事を終え、労働後のアイスを楽しもうとリビングにやってきたカイトは、その光景にハテと首を傾げた。

 普段から目立たず無口でPCオタクで居るか居ないかよく判らない、一種謎なボーカロイド達のマスターだが、実は旧家の生まれだ。一昔前まではココ周辺の地主で、なかなかに栄えていたらしいが、祖父母も両親も亡くなっている今は、一人でこの家に住んでいる。
親戚はまだ何人か健在のようだが疎遠で、一番古株のメイコでさえ会ったことは無いらしい。
 そんな旧家だから、何時の物とも知れない押入れの奥に仕舞われていた物を見つけて引っ張り出してきたのだろうかとも思うが、それにしてはやけに新しい気もするし……と思考を巡らしていると、背後からポンと肩を叩かれた。


「な~にボーっと突っ立ってんのよカイト」


 驚いて振り向くと、そこには午前中だというのに『美○年』と筆字で書かれたラベルが貼られたワンカップ酒を片手に笑う、メイコの姿があった。
 常人の感覚ならば『こんな昼間っからお酒なんて飲んで!』と嗜める所だが、メイコには常識など通用しない(というか力ずくで押さえ込まれる)ので、カイトは軽くスルーすることにした。



 ボーカロイドだって自分の身は可愛いのだ。



「あ、姉さん丁度イイ所に。アレってどうしたの?」

 そういって鼻歌交じりに雛人形をリビングの一番目立つ場所(そこに置かれると移動が困難になるのだが)に準備しているミクを指差すと、メイコはああと口を開く。

「アレね、仕事帰りにミクが買ってきたのよ」

「え、そうなの?」

「なんか仕事で雛人形を見たらしくてね。欲しくなっちゃったんですって」

 まぁミクも女の子だし、気持ちは判らないでもないけど、何もあんなデッカイの買ってこなくてもいいのにねと笑い飛ばす姉に、カイトは唖然とする。

「欲しくなっちゃったって……でもあれって、」

 どう見ても今の一般家庭が所有する2、3段のお雛様ではなく、豪華7段飾り に見えるのですが。
衝動買いにしてはあまりにも立派過ぎやしませんでしょうか。ついでに言うと普通の乗用車じゃまず運べませんよね?と疑問を視線に乗せると、メイコはアハハと笑い声を上げた。

「配送じゃ間に合わないから事務所にお願いしてバン出してもらって、しかもわざわざ某CMで有名な『人形の○月~♪』の本店がある浅○橋まで行って買ったみたいよ」

 パシリに使われたマネージャーが泣いてたわ。
 その光景が目に浮かぶようで、カイトは頬を引き攣らせる。

「ま、あの子はああ見えてもウチで一番の稼ぎ頭だし、コレくらいの無駄遣いは大目に見てやんなさい」

 せっかくお雛様があるんだし、今日の夜ご飯は桃の節句にちなんだ物でも作ってあげなさいよ~と、あまりにも無責任な捨て台詞と共に去って行くメイコの背中を、カイトは引き止めることも出来ず。



『きっと片付けは、俺の仕事になるんだろうなぁ』



 しかも『ひな祭りが終わったらさっさと片付けないと行き送れになるのよっ!』とか何とか、ボーカロイドである自分達にはまったく関係ない難癖をつけられつつ。
 それでいて、自分では絶対に片付けないのだ。

 それに、飾るだけならともかく、購入してきた張本人に繊細な雛人形の後片付けを任せるのは……あまりにも無謀だろうし。




「きょーおはたのしいひなまつり~♪」



 豪奢な雛人形を楽しそうに飾り付ける妹の歌声を聴きながら、カイトは今後確実に伸し掛かってくるであろう苦労を思いながら、小さな小さな溜息を零すのであった。





                                    2008.03.03 AK



 頑張れカイト!次は五月の子供の日だ(笑)




















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