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メイコ姉さん編です。
やっぱり主夫な兄さんですのでご注意を。
ぼかろ家の日常 その2



 ぼかろ家の長女メイコの仕事は、ライブボーカリストだ。
 時折別件で日中にも仕事が入るが、基本的に仕事があるのは夜中心。そのため、普段は昼夜逆転の生活を送っている。
 しかも仕事場がライブハウスのため、大抵しこたま飲んで帰ってくる。
 姉曰く、『どうせ客のおごりだから飲まなきゃ損でしょ』らしいが、長男カイトは『おごりじゃなくても絶対飲んでくるに決まってる』と証言していた。主夫として一家の切り盛り(主に家事全般)をしている人物だけあって、その言葉にはやけに重みがあった。


 そんなこんなで本日も、メイコ姉さんの帰宅は午前様。
 ベロベロに酔って帰ってきた姉の右手には、一体今時何処で手に入れてきたのか、酔っ払いオヤジの定番がしっかと握られていた。
「たらいま~」
「あああ姉さん!だからこんなトコで寝ないで下さいってばっ風邪引いちゃいますよ!」
 玄関に入るなりダウンした姉を介抱すべく、カイトは水のペットボトル片手に駆け寄った。
「ん~みずぅ~」
「ハイお水。それ飲んだら直ぐ寝て下さいね」
「お風呂入りたい~タバコくさい~」
 暑いのか、メイコはポイポイと上着や靴を脱ぎ散らかすと、己の身体に染み付いた臭いに眉を潜める。
「駄目です。そんなに酔ってるのにお風呂なんかに入ったら、間違いなく溺れます」
 このままの状態で寝られて布団がタバコと酒臭くなるのはカイトとて嫌だが(布団干しや洗濯もやってます)、風呂で溺れられて取り返しにならない事態になるのは、もっと避けたい。
(第一、こんな時間に救急車のお世話になるようなことになったら、御近所様に御迷惑がかかるじゃないかっ!?)
 たとえ非常事態でも御近所づきあいを忘れない……心の底まで主夫が染み付いてしまっているカイトであった。
「じゃあカイトが入れて~このお寿司あげるから♪」
 ココの鯖寿司美味しいんだよ~だからお・ね・が・い♪
 プラプラと目前で折り詰め寿司を揺らしながら、豊満な身体を見せびらかすように魅惑的なポーズを取る姉に、カイトは思わず頬を赤らめる。
「なっなななななななに考えてるんですかっ!?ああもうっ持ち上げますよ!」
 このままでは埒が明かないと判断したのか、軟体生物のようにぐにゃりと力の抜けた身体を、お姫様抱っこの要領で抱き上げた。
「きゃあ!スゴイネ~カイちゃん力持ち~」
 至極上機嫌でカイトの首に腕を回し、イイコイイコと頭を撫でてくる姉に、カイトは深々と溜息を吐く。
 この上機嫌さ加減からすると、今日は仕事先で嫌な事があったらしい。
 機嫌が悪い時ほど、大量の酒を摂取するメイコの悪癖。お酒が好きなのは構わないが、嫌な事を忘れるために飲むお酒は、あまり美味しくないんじゃないだろうかとも思う。
「……きっとまた、一切憶えてないんだろうな~」
 記憶を消去するために飲まれたお酒の威力は凄まじく、翌日には本当に綺麗さっぱり忘れ去っているのだから凄い。
だからこそ、いつまで経ってもこの悪癖は改善されないのだが。
「いい加減少しは控えるように注意しないと。身体にだって悪いし!」
 ついでに言えば翌日の二日酔いで、俺に八つ当たりされるのもちょっと困るし。

 メイコの身体を抱え直しながら、ぼかろ家主夫長男カイトは一人、心に小さな誓いを立てるのであった。


 そんなカイトの呟きを、ドアの影でこっそり見ていたレンは……

「とかなんとかいいながら、素面では絶対甘えてこないメイコ姉ってなんか可愛い♪とか思ってくるせに」

 一人、バナナミルクのパック片手に突っ込みを入れていた。


つづく?




















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