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ようやく第一話、です(汗)

キリのいいとこ~とやっていたら若干長く…でもないか。
携帯でポチポチ打ちなので、変換が可笑しいところがあるやも知れません。
そんな時はそっと拍手で教えてください。
自分じゃ何故か気付けないんだよな~

死神兄さんは他の作品に比べてちょっとクールです。
アイス好きは不動ですが
今回は双子が結構出張っております。
この二人書き易過ぎてびびった。

 どこまでも続く長い橋が、左右に二本。

 人一人がやっと通れるほどの細い橋には、補助となる手摺りも何も存在せず、眼下には分厚い雲に覆われた風景が無限に広がっている。
 うっかり足を滑らせて、下に転落したらどうなるんだろうと考えたこともあったが、自身で体験しようとまでは思わなかった。
そんな、細く危なっかしい橋の上に、まるで行く手を阻むかのように、突如としてドアが現れた。
 人間の世界なら何処にでもある、何の変哲も無いガラス製のドア。少し薄汚れた感さえあるドアは有り触れた形状の物ではあるが、この場所にはあまりにも不釣り合いだった。


 と、同時に。


「やほ~カイト兄、元気してた?」

 僕が歩いていた橋の、並ぶようにして同じように続く隣の橋に腰掛け、ひらひらと手を降る小さな影が二つ、突然姿を現した。
 それに対して僕は驚くこともなく、おざなりに返事を返す。

「べつに、普通」

 これといって代わり映えもしないこの場所に居て、何かある方がおかしい。
 それから僕は君らの兄じゃない、と心の中だけで呟く。

「いいじゃん。実際はともかく外見はカイトの方が上に見えるだろ?」

「……レン、勝手に思考を読むなっていつも言ってるだろ」

 不機嫌も露に言えば、レンと呼ばれた金髪の少年は全然済まなそうには見えない顔で、ゴメ~ンついと屈託なく笑った。

「いいじゃない、呼び方くらい。誰に迷惑かけるわけでもないし」

レンと同じような顔立ちの、だがはっきりと女の子とわかる口調と仕草で、リンは事もなげに言う。
 それは、僕にかかる迷惑はどうでもいいってことだろうか。

「相変わらずマイナス思考だなーカイト兄は。それだけ俺達に慕われてるって捕らえればいいじゃん」

「…だから思考を読むな。……もういいよ、勝手にどうとでも呼んでくれ」





 半分自棄気味に呟いた一言を、僕はすぐさま後悔した。





「じゃあバカイト」

「アイスおたく」

「カイト兄でいいですむしろそれで呼んでくださいお願いします!」

「始めからそう言えばイイのに」

「まあまあ、それがカイト兄のイイトコじゃん」

 まるで漫才のような掛け合いが目前で繰り広げられ、僕は知らず溜息を零す。
 ホントに、この二人の言動には容赦というものがない。まだめーちゃんの方がマシ…か?
いやあんまり大差が無い気も……

「カイト兄、それメイコ姉に告げ口していい?」


ヤメテクダサイ。


僕は胸中で心の底から叫んだ。

















 ドアを開ければ、そこはもう人間の世界。
 そして、頭上から降りしきる雨。






「…………。」

「あめだなー」

「あめだねー」

「「また」」

 判ってるからわざわざ口に出して僕を見なくても、現実が何よりも僕に訴えてるから、いちいち声を揃えて言わないでほしい。余計虚しくなるんだから。

 ドアを開くと共に服装も替わった僕は、いつの間にか持っていた黒い傘を開く。
 すかさずその肩の上に乗る、白と金茶の二匹の子猫。
 もちろん、姿を変えたリンとレンだ。

「…オイ、」

『いーじゃん。重さは感じないだろ?』

 声無き声で笑い、レンは右肩の上ですらりと伸びた尻尾を揺らす。

『それにターゲットの説明もしなきゃだしね♪あ、カイト兄またハーゲンダッツ行くんでしょ?オレンジパッションフルーツソルベとラブポーションサーティーワン食べたい!』

『俺はバナナアンドストロベリー』

「僕はキャラメルリボンとポッピングシャワーが食べたいから却下」

『『ええ~~~~~~~~っっっ!!!』』

 脳内に響く二人分の大批判を、僕はあっさりと受け流す。
 悪いけどアイスに関してだけは、何を言われても一切妥協する気も諦める気も無い。
 僕が人間の世界で仕事をする際、楽しみにしている事の一つなのだから。

『ちぇーっ、食べたかったのに』
「自分で買えばいいだろ?死に神の僕と違って、いつでも自由に動けるんだから」

 いつまでも電話ボックスの前に立っているのもなんなので、人の流れに任せるようにして足を踏み出す。ターゲットに接触する道すがらにアイスの店があるといいなと、さ迷わせた視線にちょっとだけ期待を篭めた。

『カイト兄、誤解してるみたいだけど、あたしたちがサポートだからって、自由に動く権限があるわけじゃないんだよ?』

「…そうなの?」

 僕からすれば、かなり自由に動き回ってるように見えるのだが。
 首を傾げると、レンはふふんと鼻を鳴らした。

『俺達はカイト兄と違って要領よく時間を有効に使ってるから、そう見えるだけさ』
つまりそれは、僕が要領悪いと言いたいのか。

『オッ、自分のことちゃんとわかってるじゃん』

 エライエライと、小さな前足で金茶の子猫が僕の頭をポンポン叩く。
 正直嬉しくないし、褒められてる気もしない。むしろからかわれている気がしてならないのは、僕の気のせいだろうか。

『うん、気のせい気のせい』

「だからレン、」

『あっ、ゴメンつい。カイト兄の思考って面白いから』

 娯楽で人の思考を読むな。

『まあまあ。そこがカイト兄のイイとこなんだから、気にしちゃダメだよ』

 ちっともイイトコロとは思えないんだけど。
 不満を抱く心を表すように自然と寄ってしまう眉に、僕は空いた方の手で眉間をグリグリと押した。

『え~っと、じゃあ今回の相手について話すね。名前は春日悠久(かすがゆうき)26歳、楽器店のアルバイター兼スカイズのヴォーカル…』

「その人って歌手なの?」

『あ~歌手っていっても売れないバンドのヴォーカルな。CDは自費出版だし、そんなにファンが付いてるわけでもない』

 本人達は一応プロ目指してるみたいだけど、実力が伴ってない状態だなと、レンは辛辣と取れる言葉を並べ立てた。

「ふーん、でも『音楽』をやる人なんだ」

 音楽というオマケが付随したことによって、ちょっとだけターゲットに興味が湧いた。一体どんな音楽を奏でる人なんだろうと、想像を巡らせるだけで自然とワクワクする。
うまくいけば、今回は仕事の合間だけじゃなくて、最中も音楽に触れられるかもしれない。

『…嬉しそうな所水を射すようで悪いんだけど、カイト兄の音楽好きは百も承知だけどさ。仕事に私情は入れるなよ?』

「わ、わかってるよ。ただその人の歌を聞いてみたいなって思っただけ」

 音楽の可能性は無限大だ。人間が作り出した、最大にして最高の文化。そして歌は、歌う人間の数だけ色が違う。
 僕はそんな歌が大好きだった。
 もしも僕が死に神ではなく人間として生まれていたら、間違いなく音楽に浸り切った人生を送ることだろう。

『…まあでも、カイト兄のことだから、どうせ今回も『執行』なんでしょ?』

ニイ、と真っ白な子猫の姿をしたリンが目を細めて笑うのを、僕は視界の端っこで捕らえた。
 そしてさり気なさを装って、町並みに視線をさ迷わせる。

「………判断を下すのは一週間後だよ。でも、」




 よっぽどのことが無い限り、そうなるだろうけどね。





 そう心の中で呟いたのと同時に、何気なく見渡した視線の先捜し求めていた看板を発見して、僕は嬉しさに顔を綻ばせた。





[2に続く]





















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