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今度はミク編です。
相変わらず兄さんは主婦に精を出しています。
ぼかろ家の日常 その3



 ぼかろ家の次女ミクは、今をときめくネット界のアイドルだ。
 ソフトだけでなく、商魂逞しい各方面から際限なく発売されているグッズも売れに売れていて、おかげさまで各方面引っ張りだこ。
寝る間もないほど多忙な日々に追われている。


 ハズ、なのだが……


「お兄ちゃんただいま~!」

 愛用の割烹着に身を包み、夕食の準備に取り掛かっていたカイトの背中に突然張り付いてきた妹に驚いたカイトは、持っていたホウレン草をバサリとシンクの中に落とした。

「み、ミク?今日はネットライブ中継で遅くなるんじゃ…」

「え~とね、急にお兄ちゃんのネギたっぷりマーボー丼が食べたくなったから、帰ってきちゃった♪」

 だからお夕飯に作って?と、お日様のような笑顔でお願いをしてくる妹は、すこぶる可愛い。
 しかしだからといって易々と頷けるほど、後半についてきた台詞は容易くなかった。

「帰ってきちゃったって……もしかして仕事ほっぽってきたのか?!」

 巣、直ぐにお世話になってる皆さんに謝罪のでんわをっ!!と慌てる兄とは裏腹に、ミクはアッサリと首を振る。

「んーんー、私の所だけ録画にしてもらったの。プロデューサーさんにね、ちゃんとお願いしたんだよ~お兄ちゃんのご飯食べたいから帰りたいです~って」

 ちゃーんとOKもらったから大丈夫♪と胸を張るミクに、それの何処が大丈夫なんだろうかとカイトは胸中で脂汗を流した。
 今日のネットライブ中継の主役はミクだ。その主役がいないなんて、そんな事があっていい筈が無い。
 きっとそのプロデューサーも、この天然純粋無垢な笑顔に絆されてしまったのだろう。
今頃スタジオ内は、怒涛のような嵐に巻き込まれているに違いない。
恐ろしいまでの煩悩渦巻くスタジオ内を想像してしまい、カイトは背筋を凍らせた。


「ねえお兄ちゃん、だめ?作ってくれない?」


 あたし頑張ったんだよ?とウルウルとした瞳プラス上目遣い……最強のコンボだと切に思う。
 こんな表情を見せられたら誰だってOKを出すに決まってる。
 まして他人じゃなく可愛い妹では、断るなんて皆無だ。
 あああ、俺ってまだまだ修行が足りない。
 こんなんでは教育上良くないと重々判っているのに、口は勝手に了承を紡いでしまう。
 しかも柔らかな笑顔つきで。



「……多分、材料はあるから作れるよ」


 でも次からはちゃんと仕事を済ませてからにしなさいね、と告げるのだけは忘れずに。








 自分も大概妹には甘いなぁと思わずにはいられない、ぼかろ家長男兼主夫のカイトであった。


                                             つづく?




















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