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今回はレン・リン編。
二人の性格設定は、実は当初とだいぶ変わってしまいました。
なんか書いてくうちに勝手に動くんだもんよ・・・
ぼかろ家の日常 その4



 ぼかろ家の三女リン、次男レンは双子である。
髪・目の色から容貌までそっくりな二卵性双児なので、まったく同じ格好をしたら大抵の人はどちらがどちらだか区別が付かない。
 しかし、その内面まで同じというわけではない。
 ボーカロイドとしてステージに立ち、歌い踊っている時は息のあった二人だが、ひとたび普通の生活に戻れば、性格はまるで異なる二人だった。







「兄さん!また私の下着勝手に洗ったでしょ!?洗わないでって言ったのにっ」


 麗らかな休日の午後。

 久しぶりの快晴に思う存分選択をして、家族中の布団干しを終えたカイトは、居間でのんびりと庭の景色を眺めながら、労働後のアイスを楽しんでいた。
 ちなみに今日のアイスは月一限定特売の、『ハーゲ○ダッ○・クッキーアンドクリーム』だ。
カイトはアイスを食す時、齧る派ではなく舐め溶かす派なので、食べ終えるのに結構時間がかかる。一口含んではモゴモゴとアイスを口内で溶かし、残ったクッキーの僅かな塩味と甘みを堪能しては『美味しいな~』と満面の笑みを浮かべていた。
 そんな、庶民のお母さん方と大差無いささやかな幸せを噛み締めていたカイトの元に、騒がしいまでの足音を立てて駆け込んできたのは、三女のリンだ。


「ん?ああ、だっていつまで経ってもお前が洗わないから…」

「恥ずかしいから洗わないで!って、前に言っておいたわよね?」

「……別に兄妹なんだからいいじゃないか。それに俺はメイコ姉さんやミクのだって洗ってるんだぞ?今更リンのだけ洗わないってのはオカシイ…」

「あ・た・し・が!恥ずかしいの!!兄に下着を洗ってもらってるなんて友達にバレたら、どんな風に思われるかっっ」

「気にし過ぎじゃないか?第一俺が家事全般を請け負ってることは、御近所中に知れ渡ってるんだし」

「なっ!?」

 主夫たるもの、御近所付き合いくらいこなせなければ真の主夫ではないと信じて疑わないカイトは、日々隣近所の奥様方との購入を怠らない。多少ドンくさい所はあるが、見目良く歳若いカイトは御近所の奥様方に大人気で、そのおかげで近所のスーパーの特売から噂話まで、すべて彼の耳に届いていた。

 新たに知らされた事実に、リンはぶわっと顔を赤くする。

 しかし木のスプーンでアイスをつついていたカイトはそれに気付かず、更に事実を重ねる。


「だから多分、今更恥ずかしがっても皆知ってると思うし、それに対して笑う人はいないと思う…」


「兄さんの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「ふぉぐっっ!?」

 一体その細い腕の何処にそんな力が隠されていたのか、ギュッと握り締められた拳が見事にカイトの右頬に炸裂した。あまりの突然さに受身すら取れなかったカイトは、衝撃に逆らう事無く吹っ飛ばされる。


「デリカシーの無い兄さんなんて大っ嫌いっ!フンだ!!」


 顔をりんごのように赤く染め、僅かに涙を浮かべながら、リンは踵を返して自室へと戻っていった。




 残されたのは、吹き飛ばされ畳にへたり込んだままのカイトと。
 弾みで畳に落っこち、中身をぶちまけてしまったアイスのカップだけで。




「リンが…リンが俺のこと大っ嫌いって……ああっ!!アイスがっ!?!?


 妹に『大嫌い』と宣言されたことよりも、1/3も食べていなかったアイスが台無しなったことの方が、彼にとってはどうやらショックが大きいらしい。
 畳の上で徐々に固体から液体へと変化し、じわじわとイ草に染み込んでいくアイスの様を、カイトはただ呆然と見つめる。

(俺のクッキーアンドクリーム…一個しか売ってなくて、食べるのすごく楽しみにしてたのに……)

 どんなに好きでも、一度床に落ちたものを食そうとは思わない。いや、3秒ルールで食べてしまいたい気持ちは少なからずあったが、兄として…主夫としてそれは拙いだろうと、沸き起こる衝動を寸でのところで抑えていた。



 そんなカイトに対し、



「……ていうかさ、アイスが台無しになったことのショックの前に、泣いて出て行った妹を慰めに行く方が先だと思うんだけど」


 コレまでの一部始終を庭先の影からこっそりと眺めていたレンが、至極最もな突込みを入れる。


「レン……だって、俺のくっきーあんどくりーむ…」

 涙目で弟を見つめる兄は、とてつもなくへたれで頼りなく、そしてレンよりも20センチ以上背が高く、5個年上とは思えないほどに可愛かった。
 世の腐女子のお姉様方が目にしたら、即『受』の称号を与えることだろうコトは想像に容易いくらい、なにやら保護欲を刺激される表情だった。

 ようはあれだ、『寂しいと死んじゃうウサギ』みたいな?
 でもそれって兄としても男としてもどうなんだろう……。



「……カイト兄さんさ」

「……?」

 庭先から続く窓を開け室内に入ってきた弟に、カイトは首を傾げる。
 そしてへたり込んでいる兄の傍にちょこりと膝を抱えると、一言。

「乙女の心を理解出来ない上にそんな駄目駄目っぷりじゃ、いつまで経っても女の人にモテないんじゃない?」

 せっかくルックスはいいのに勿体無いよソレ。人妻にモテても意味無いよ、下手したら裁判沙汰だよカイト兄さん。
 厳密には一言では済まされない衝撃の台詞を、兄の耳元で囁いた。



「!?っっっっ」 





 ぼかろ家の長男カイト。

 異性からはモテるのに、一向に彼女いない暦○年から抜け出せないでいる、19歳の冬の日の出来事であった……




                                       つづく??






一卵性だと性別も同じになるはずだぜ!
この書き方はおかしいのでわ?
【2008/05/24 18:59】 URL | ヤクト #-[ 編集]














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