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お待たせしました!後編です。

なんか双子が大暴走・・・・・でもこういうテンションの話を書くと心に充実感があるのは、やはりぶっ飛んだ内容が大好きだからでしょうか。
最初の頃はリンレンのキャラを掴み損ねているので書きにくいとか思っていたのだけれど、最近メッチャ書きやすくて困ります。
逆に書き難いのはミク。
天然ちゃんに設定したのが拙かったか……考えてみたら天然ちゃん系なキャラを書いたことがなかったのが判明。
うおおおおおお今後どうしよう(悩)






 一時間後。

 何とか宥めすかしてリンを落ち着かせ、このままでは夕飯を食いっぱぐれそうになった三人は、とりあえず食事をしてから話を仕切り直すことにした。

 ちなみに本日メイコとミク、ついでにマスターは仕事で遅くなると予め連絡があったため、此処にはいない。
 









 三人で仲良くテーブルを囲んで夕飯を済ませ、食後のお茶(玄米茶)を啜って一息置いたところで、のほほんとした口調でカイトが口を開く。

「……で、結局リンとレンは俺にどうしてほしいの?」

「「もっと積極的にボーカロイドの仕事をして欲しい」」

「………えーと、」

 ハッキリキッパリ見事なユニゾンで即答され、カイトは思わず思考を止めてしまう。

「カイト兄が悔しくなくても、あたし達すっごく悔しかったの!」

「…え?」

「カイト兄の実力は俺達が一番良く知ってるし、ホントはそこらの歌手なんか目じゃないくらい上手いのに。それに……、なんか俺達まで馬鹿にされた気がしてさ。スッゲェむかついた」

「人間みたいに血とか繋がってるわけじゃないけど、でも…カイト兄はあたしたちの家族だもん……家族が馬鹿にされたりしたら、やっぱり、いい気分しないよ」

 そう言って深く俯き、耐え切れないとばかりにレンの肩に顔を埋めてしまう。そんな姉をレンは複雑そうな表情を浮かべながら、宥めるように頭を撫でた。

「リン…レン……、」

((あ、なんか上手くいきそう))

 特に打ち合わせをしたわけではなかったが、この時双子の心は見事にシンクロしていた。
 二人で一つの弟妹だからこそ、その効力が如何無く発揮される最終手段……秘儀、『泣き落とし』
 誰よりも兄弟思いの長男ならば、コレで落ちない筈が無いっ!!――と、二人は確信していたのだが。

 どうやら敵(?)はそれ以上のつわものだったらしい。

「えっと、でも俺、別に売れたいわけじゃないし、歌わせてもらえればそれで満足なんだけど…あ、二人が俺の事で怒ってくれるのは嬉しいよ!ホラ、人には向き不向きってのがあるだけで、俺はそういう煌びやかな世界があんまり向いてない人種ってだけ…」

「「アンタは人じゃなくてボーカロイドだろうがッッッ!!!!」」

 どうやら二人とも、我慢ならなかったらしい。
 8人がけのダイニングテーブルをひっくり返さん勢いで突っ込みを入れる二人に心底驚いたのか、カイトは両手で湯飲みを抱えたままリアクションも出来ずに目をぱちくりとさせた。

「ボーカロイドは歌を歌うのが仕事!しかも俺達は単なるソフトじゃなくて実体化してんだ!つまり人前に出て歌うこと前提に生み出されてんのにっっ!!」

「ありえないっ!どっかバグってんじゃないのこのバカイトはぁぁぁぁぁッッッ!!!」

 椅子を蹴り上げ壁にジャブをし柱に頭を打ち付け……まるで発狂でもしているかのような二人の阿鼻叫喚具合に、カイトは戸惑いつつもとりあえず家が二人の手によって整地されないうちに止めようと声を掛ける。

「え、えっと、とりあえず落ち着いて二人と…、」

「「これが落ち着いていらりおかっ!!」

 再び見事なユニゾン以下略。
 あまりの迫力にカイトは二の句も告げられず、ただただあっけに取られた。
 そんな長男を完全に置いてきぼりにし、二人の主張はなおも続く。

「ああああああなんかこの人自分のコトなのにメッチャ他人事だよっカンケーネーって雰囲気ダダ漏れだよっっ!!!」

「しんっじらんないッッッ!コレがメイコ姉ならフザケンナッてテレビ局に殴り込んでフルボッコの一つもするのにっっっ!!!!」

「いやホラ…俺はメイコ姉さんとは違うから……、」

 ていうか、そんなことしたら一発で廃棄処分決定でしょ俺達。それこそロボット三原則を完全無視してると思うんだけど―――という長男の小さな主張は、ハッスルしている双子の前ではあえなく塵と消えた。

「よっし!こうなったらあたしがカイト兄のへたれきった根性を叩き直して、男性アイドルナンバーワンにしてあげるわ!!カイト兄、内面のへたれっぷりと所帯臭さはともかく外見は世の男性がうらやむくらいこんっなにも恵まれてるんだから、ちょっと肌蹴て流し目の一つもすれば年頃の女性陣なんてあっという間にイチコロっっ抱かれたい芸能人ナンバーワンを目指すのだって絶っっっっ対夢じゃないっっっっ!!!!」

「ぅええっ!?」

あまりにも突拍子の無いリンの宣言に、流石のカイトも驚きのあまり声を上げる。

「うっし!そうと決まったら、まずはその色気のカケラもないズル長コートマフラーから露出度のある服にするとこからね!ってことで、いますぐ脱・げ♪

「え?や、ちょっ、まっ、お、落ち着いてリン!」

「あ・た・し・は・じゅう~ぶん冷静よ?兄さんこそ観念してあたしに身を委ねてっっ!ぜぇぇっっったい悪いようにはしないから♪♪」

 じりじりと寄ってくる妹に、カイトは慌てて椅子から立ち上がり後退するが、そう広くも無い室内ではあっという間に壁際に追い込まれてしまう。

「目がっ目が怖いよリン!レンも傍観してないでリンを止めてっ」

 自分一人ではとてもリンの暴走を止められないと早々に察したカイトは、情け無いと思いつつも涙を浮かべて弟に助けを求めた。


―――が、


「いや、リンの主張をまるっと同感する気はないけど、やっぱりカイト兄にはボーカロイドとしての自覚がもうちょい欲しいかなって思ってるから」

 悪いけど、今回は止める気無い。

 右手を上げてサラリと宣言されてしまい、この場で唯一ともいえる頼みの綱にあっさり一言で切り捨てられたカイトは、その瞬間絶望に叩き落された。



「レェェェェェンッッ!!!」

「往生際が悪いよ~オ・ニ・イ・チャン♪」

「ひっ…」

 カイトの首に巻かれたマフラーが引かれ、するりと肩から舞い落ちる。
 そのマフラーを持つ手の先には、意地悪げな笑みを浮かべたリンの姿があって。

「いやああああああああ!!!!!!!!
らめぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!!!」











「……明日、近所から苦情来ないといいけど」


 まぁいいか。対処すんのはカイト兄だし。
 
 ポソリとそんなことを呟きながら、次男は一人淹れ直した玄米茶を啜り、目前で双子の傍らにひん剥かれそうになっている長男の泣き顔を、ただ静かに傍観するのであった。



















 その後、どうなったかと言うと。

 完全に剥かれる寸前に長女メイコが帰宅してきたことで、その場は鎮圧。
 カイトはギリギリのところで兄としての威厳(?)を守りきることが出来たのだが、その後もリンは虎視眈々と『兄の完全アイドル化計画』を狙っているとかいないとか。



                                       2008.04.02 AK
























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