ADMIN TITLE LIST
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




久々に長編更新です。
アメムチ兄さん再来。

なんだか話が全然進まなくてどうしよう。。。。。
マジで未来(さき)が見えない……

 連れて来られた場所は、アイスショップから歩いて10分ほどの場所にある公園だった。
 ここは市が管理している公園で、子供が遊べる遊具はないが四季折々の花や木が植えられ、噴水や芝生、ベンチがさりげなく配備されていて、親子連れや少しばかり遅い昼食を食べている会社員らしき姿の人等が、ちらほらと点在していた。
 そこそこの広さがあるが、ごくごく普通の公園だ。


 俺をこんな場所に連れて来て、一体何をする気なんだと青髪の青年を振り返ると…





「……アイツ、今度は何をする気だ?」





 何故か公園にいくつか設置されているごみ箱、しかも燃えないゴミの方を人目も気にせずガサゴソと漁っていた。
 なまじ顔も体格も整っている分、その光景はとてつもなく奇妙なのだが、本人は至って平然としている。それどころかゴミ箱の中から目当ての物を発見したのか、ニッコリとそれはもうイイ笑顔を浮かべると、今度は公園によくある水飲み場に向かって拾った物を丁寧に洗い始めた。


(……今のうちにトンズラするか)


 アイスの弁償はしたし、話もした。
 何をしたいんだかまったく判断付かないが、これ以上アイツに付き合う必要は無いだろう。



 そう決断して、俺が踵を返そうとしたまさにその瞬間、



「お待たせしました。早速始めましょう」

 絶妙なタイミングで、拾ったゴミを洗い終えた青年が俺に声を掛けてきた。

「始めるって、何を?」

 俺は何一つ説明されないまま、ココまで連れて来られたんですけど。
 疑問をまんま口にすれば、青年はキョトンとした顔をして、それからああと声を上げて手を叩いた。

「ああスミマセン。あまりにも嬉しかったのでつい……」

 ついで人を巻き込むな。俺が多忙な奴だったらどうするんだ。
 いや、今日はバンドの練習をするためにバイトは休み取ってたから暇だけどさ。

「……で、お前は何がしたかったんだ?」

 俺がコイツに付き合う謂れは無い、まったく一欠けらも無いんだが……なんだろう、なんかコイツ見てると妙に放っとけないというか目が離せないというか、とにかく気になって仕方が無い。
 もしかしたらコイツが醸し出す、どこか浮世離れした雰囲気に中てられてるのかもしれない。
 内容がどうであれ、とりあえず気になるから理由を聞くと、ソイツはまた爽やかな笑顔を浮かべ、ごみ箱から漁ったそれを掲げながら一言。



「歌って下さい」



 ココで、今すぐ。




「おまっ、俺にストリートやれっていうのか!?」

 今此処でか!?と、半ば叫ぶように問うとソイツは躊躇いもなく頷き、俺の言葉をあっさり肯定しやがった。

「そうですよ?」

 なにか不都合でもと言わんばかりの口調に、俺は唖然とする。
 いくらなんでも不都合ありまくりだろう。

 コイツ、絶対オカシイ。

 俺の脳裏にそんな感想がデカデカと浮かぶ。
 いや、今更言うことじゃないかもしれないが(コイツは最初から常人から掛け離れていた。容姿しかり、言動しかり)、それを踏まえてもこれだけはハッキリ言える。
 出会って数時間の人間がいきなり強要するような内容では、絶対ない。

「ふざけんなっ!急に出来るかそんなこと!しかもバックに何もない状態で…っ」

「伴奏がなければ歌も歌えない、段取りや他人の助けがなければ歌うことが出来ない歌手なんですか貴方は?」

「!? っ」

「声は人に与えられた、何物にも替えがたい至高の楽器ですよ?伴奏がなくたって歌くらい歌えるはずです。何処だって、声さえ出れば歌は歌える」

 もちろん、この公園で歌うことも。
 暗に誤魔化さなければ聴くに耐えない歌唱力しか持っていないのかと、馬鹿にされているようにも聞こえて、俺はたまらず睨みつけた。



「……俺を挑発してんのか、お前」


「さあ?でもここで引き下がったら、それこそその程度の歌い手ってことになりませんか?」


 まあ、僕は単に貴方の歌声が聞きたいだけなんですけどね。
 そう言って、先ほどの朗らかな笑みとは掛け離れた食えない笑みを浮かべる。
 まったく、挑発してるのかお願いしているのか、どちらかにしてもらいたいものだ。

 いや、俺の精神的ダメージを考慮すると、断然後者のが歓迎なんだが。




(コイツの態度は、明らかに前者だよなぁ)



 しかも、絶妙に飴と鞭を使い分けてこちらが言い返せないようにしている辺り、外見からは想像できないくらい性格は結構したたかだ。それも人当たりの良い笑顔付きでやってのけるのだから、性質が悪いと言うか……

「お前、友達とかにイイ性格してるとか言われねえ?」

「う~ん、どちらかというと俺はお人好しって言われますね。甘いともよく言われます」

「……お前、どういう交友関係持ってんだよ」

 これでお人好しって、なんか想像すんのスッゲェ怖いんですけど。

「まぁオレのことはいいじゃないですか。で、歌っていただけるのでしょうか?」

 柔らかい物腰と口調で訊かれているのに、何故か『逃げんのかコラ♪』と言われているような気持ちになるのは何故だろう。





「…………。」



「…………。」




 綺麗な笑顔がこんなにも圧力を掛けることが可能だなんて、俺は今日の今日まで知らなかった。

 結局、無言の攻防戦で先に白旗を上げたのは、俺。


 
「………わぁったよ、やりゃあいんだろ?」



 この状況でそれ以外の返答が出来たなら、誰か教えてくれマジで。


























管理者にだけ表示を許可する




| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 ぼかろ家, All rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。